薬局やドラックストアに行くと花粉症を抑える市販薬がたくさんあって、どれを選べば良いか迷いませんか?
「どの薬が私に一番効く薬なんだろう…」
「どの薬も、どれも同じような薬にしか見えないな…」
「相談したいけど、薬剤師は忙しそうだし、話しかけるのが苦手で相談できないな…」
このようなことを花粉症の市販薬を購入する際に、思ったことはあるはずです。
そうゆう、あなたにどの花粉症の市販薬が一番効く薬なのか、あなた自身が選べるように薬の解説をしていきます。
そのためには3つのステップで解説していくので、最後まで読んでいただけると自身で薬を選べるようになります。
3つのステップとは
- 種類に関して
- 市販薬を選ぶ際に必要な成分の解説
- どの市販薬にどんな成分が入っているかまとめた表
の3つに分けました。まず最初にどうゆう種類があるのか見ていきましょう。
目次
花粉症の市販薬の種類について
種類に関してはまず、内服薬(漢方薬も)、点鼻薬、点眼薬があります。
それぞれに特徴があるのでかんたんに解説していきます。
内服薬
内服薬には第1世代抗ヒスタミン薬と第2世代抗ヒスタミン薬があります。
第1世代抗ヒスタミン薬は効き目は強く、即効性はありますが、眠気などの副作用がでやすいのが欠点です。
第2世代抗ヒスタミン薬は、効き目は第1世代抗ヒスタミン薬に比べたら弱いですが、眠気などの副作用はでにくいです。
くしやみ、鼻水、鼻づまりを抑えたい方にオススメです。
点鼻薬
鼻づまりが特に気になる方は点鼻薬がオススメです。
鼻の粘膜に直接とどくので、効き目は早いです。
点眼薬
眼のかゆみ、眼の充血に関しては点眼薬がオススメです。
ただし緑内障の方は使用できないものがあるので、使用上の注意を確認しましょう。
漢方薬
複数の生薬を組みあわせたもので、組みあわせの種類によって、どんな効果があらわれるかを経験によって作られた薬です。
花粉症に対しては、小青竜湯という、漢方薬がオススメです。
鼻水、くしやみ、鼻づまりなどを抑えてくれて、眠気がでないのも特徴です。
臨床的にも効果が証明されています。
続いては、内服薬、点鼻薬、点眼薬を選ぶ際に必要な知識を勉強していきましょう
選ぶ際のポイントとなる成分の解説
まず選ぶ際に知っておきたい成分に関して説明します。
時間としては、たった3分ぐらいで読める
成分のポイントを解説していきます
ここのポイントの部分をしっかり勉強して、まとめの表を見て薬を選びましょう!
第1世代抗ヒスタミン成分の特徴
- くしゃみ、鼻水にはよく効きますが、鼻づまりに対しては弱い
- 緑内障や前立腺肥大症の方には使用できない
- 眠気や口の渇きなどの副作用が出る頻度が高い
- 作用は強く、即効性
第2世代抗ヒスタミン成分の特徴
- 第1世代抗ヒスタミン成分と比べて、眠気や口の渇きなどの副作用がほとんど認めなれないものが多いい
- 第1世代抗ヒスタミン薬より効果が弱いものが多いい
- 花粉症の初期や、軽い症状にオススメ
- 作用はマイルド(おだやか)で効果がでるまで遅いが、持続性
- ケミカルメディエーターの遊離抑制作用も、もっているものもある
ケミカルメディエーター遊離抑制
- くしゃみ、鼻水、鼻づまりなどの症状を緩和する
- 特に鼻づまりを抑えます
- 点眼薬の場合はかゆみを抑えてくれる
- 作用はマイルド(おだやか)で、効果があらわれるまで、時間がかかる
- 眠気がでることは少ない
抗コリン
- くしゃみ、鼻水を抑える
- 緑内障・前立腺肥大の方には使用ができない
- 口の渇き、眼圧上昇、排尿困難などの副作用が出る場合がある
- 抗ヒスタミン成分は抗コリン作用も併せてもつ
(特に第1世代抗ヒスタミ成分は抗コリン作用が強い。なので第1世代抗ヒスタミン成分も緑内障・前立腺肥大の方には使用ができない)
血管収縮
- 鼻:鼻粘膜の血管の拡張を抑制し、鼻づまりの症状を緩和する
- 眼:眼の充血を抑える
- 即効性がある
- 3日を超えて使用を続けたり、使用回数の頻度が多いいと鼻づまりの症状がよけいに、ひどくなる場合がある
- 点鼻、点眼など、限られた部位だけに使用しても、全身に成分が体に作用するため、高血圧、糖尿病、心臓病、甲状腺機能障害などお持ちの方には注意が必要
(特にこのような持病を持っている方は、プソイドエフェドリン(血管収縮)が入っている成分は使用してはいけません)
抗炎症・ステロイド
- 炎症症状を和らげる
局所麻酔
- 痛みやかゆみを抑える
- リドカインという成分が入っているものが多いい
殺菌消毒
- 殺菌作用や消毒作用がある
成分の解説をかんたんにまとめました。これぐらい理解できていれば花粉症の市販薬は選べます。
それではこれから自分にあった薬を選んでいきましょう!
☑️:成分が入っている
❌:成分が入っていない
内服の市販薬のまとめ
まず最初は、第1世代抗ヒスタミン成分が入っている市販薬のまとめ表です。
第1世代抗ヒスタミン成分
コルゲンコーワ鼻炎フィルムクール |
エスタック鼻炎カプセル12 |
ストナリニS |
パブロン鼻炎カプセルSa |
新コンタック600プラス |
|
年齢 |
15歳以上 |
7歳以上 |
15歳以上 |
15歳以上 |
7歳以上 |
1日回数 |
3回 |
2回 |
1〜2回 |
2回 |
2回 |
1回服用量 |
1枚 |
15歳以上:2カプセル 7歳〜14歳:1カプセル |
1錠 |
2カプセル |
15歳以上:2カプセル 7歳〜14歳:1カプセル |
☑️ |
☑️ |
❌ |
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☑️ |
☑️ |
☑️ |
☑️ |
☑️ |
ストナリニSは抗コリン成分が入っていない分、口の渇きなどの副作用が他の薬と比べてでにくいです。
エスタック鼻炎カプセル12には生薬のサイシン乾燥エキスが含まれていて鼻水、鼻づまり、くしゃみなどを抑えてくれます。
エスタック鼻炎カプセル12、パブロン鼻炎カプセルSa、新コンタック600プラスにはプソイドエフェドリンが入っているため高血圧、糖尿病、心臓病、甲状腺機能障害などお持ちの方には服用しないようにしてください。
続いては、第2世代抗ヒスタミン成分が入った市販薬のまとめ表です。
第2世代抗ヒスタミン薬
アレジオン20 |
アレグラFX |
クラリチンEX |
エバステルAL |
ストナリニZジェル |
|
年齢 |
15歳以上 |
15歳以上 |
15歳以上 |
15歳以上 |
15歳以上 |
1日回数 |
1回 |
2回 |
1回 |
1回 |
1回 |
1回服用量 |
1錠 |
1錠 |
1錠 |
1錠 |
1錠 |
車の運転 | ❌ | ⭕️ | ⭕️ | ❌ | ❌ |
効き目の強さ
クラリチンEX≒アレグラFX<エバステルAL<アレジオン20<ストナリニZジェル
アレグラとクラリチンは自動車の運転に対し注意喚起文が記載されていなく、眠気がおこりにくい成分です。
しかし人によっては全くおきないという訳ではないので、眠気を感じたら服用して運転しないようにしてください。
続いては、点鼻薬をまとめた表です。
点鼻の市販薬のまとめ
点鼻薬
フルナーゼ |
コールダイジン点鼻液α |
ナザールαAR |
AGアレルカットEX |
AGノーズアレルカット(S、C、M) |
セビーAZ鼻炎スプレー |
パブロン点鼻 |
パブロン点鼻クイックJL |
|
年齢 |
15歳以上 |
7歳以上 |
18歳以上 |
18歳以上 |
7歳以上 |
7歳以上 |
7歳以上 |
7歳以上 |
1日回数 |
2回(朝・夕) |
6回まで |
2回(朝・夕) |
2回(朝・夕) |
3〜5回 |
1〜5回 |
1〜6回 |
1日4回(朝・昼・夕・就寝前) |
1日最大使用回数 |
4回 |
6回 |
4回 |
4回 |
5回 |
5回 |
6回 |
4回 |
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☑️ |
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☑️ |
❌ |
パブロン点鼻クイックJLだけ第2世代抗ヒスタミン成分を使用しています
血管収縮成分が含まれてるいる成分は使いすぎに注意が必要です。鼻づまりに即効性はありますが、使い過ぎると、鼻粘膜の血管が反応しにくくなり、かえって血管が拡張して鼻づまりの症状を悪化させてしまいます。
ステロイド入りの点鼻薬も安全性を考えて、1年間に3ヶ月間以内の使用にとどめるようにしてください。引き続き点鼻薬を使用したい場合はステロイドが入っていない成分を使用するようにしてください。
続いては、点眼薬をまとめた表です。
点眼の市販薬のまとめ
点眼薬
ロートアルガードクリニカルショット |
ロートアルガードクリアブロックZ |
ロートアルガードクリアブロックEX |
ロートアルガードコンタクトa |
ストナリニAG |
|
年齢 |
7歳以上 |
7歳以上 |
7歳以上 |
ー |
ー |
1日回数 |
4回(朝、昼、夕、寝る前) |
4回 |
4回 |
5〜6回 |
3〜6回 |
特徴(ポイント) |
ぶり返すほど目が痒い人に |
ガマンの限界を超えた目の痒みに |
つらい目の痒みに |
コンタクト装用でも使用可能 |
充血に効きやすい |
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コンタクトレンズ |
❌ |
❌ |
❌ |
☑️ |
ソフトコンタクトレンズは❌ |
ロートアルガードクリニカルショット、ロートアルガードクリアブロックZ、ロートアルガードクリアブロックEXは点眼薬でも、妊娠中や授乳中に使用してはいけないので注意が必要です。
ロートアルガードコンタクトa、ストナリニAGはカラーコンタクトの装用時は使用しないようにしてください。
ロートアルガードクリアブロックZ、ロートアルガードクリアブロックEXは点鼻薬と一緒に使用する場合は眠気があらわれることがあるので運転してはいけません。
市販の目薬は防腐剤が入っているものだと開封したら3ヶ月以内に使用しましょう。その使用期限を過ぎると、細菌が増え、雑菌などに汚染されている可能性があります。今回紹介した点眼薬はホウ酸という防腐剤の成分が入っています。
以上で花粉症の市販薬の解説は終わりです。
まとめ
あなたに最適な薬は選べたでしょうか。
もう一度、かんたんにまとめますと、
くしゃみや、鼻水が特に気になる方は内服薬オススメです。
眠気が気になる方は眠くなりにくい第2世代抗ヒスタミン成分のものを選びましょう。
鼻づまりが特に気になる方は点鼻薬がオススメです。
眼のかゆみ、眼の充血に関しては点眼薬を使用することをオススメします。
最後に購入の際は必ず添付文書(薬の説明書)を読んでから購入するようにしてください
購入する際に、薬剤師から情報提供や指導を受けないといけないものがあります(フルナーゼ、クラリチンなど)